バジルとは?
バジルってどんな植物?
バジルはシソ科に属するハーブで、甘く爽やかな香りが特徴です。古代ギリシャでは「王様の薬草」と呼ばれ、インドや熱帯アジアを原産地としています。日本では江戸時代に中国から伝わり、今ではイタリア料理を中心に使われ、メジャーなハーブとなっています。スイートバジルが最も一般的な品種で、ジェノベーゼソースやピザ、サラダなどに使われますが、紫色のダークオパールバジルやホーリーバジルなど、さまざまな種類があります。バジルはその芳香成分であるリナロールやエストラゴールを含み、リラックスや集中力アップ、消化促進などの効果も期待されるハーブです。
バジルの使い方
バジルは、イタリア料理をはじめ、さまざまな料理に使われるハーブです。ジェノベーゼソースやカプレーゼ、ピザのトッピングなど、料理に風味を加える役割があります。また、トマト料理はもちろん、卵料理や肉料理、魚料理にもよく合います。
バジルは生のまま使うと香りが最も強く、料理の最後にちぎって加えるとその香りを存分に楽しめます。冷凍や塩漬けにして保存することもでき、長期間風味を保つことができます。自宅で栽培する場合は、常に新鮮な葉を収穫して使えるので、手軽で便利です。
バジルは家庭菜園できる?
バジルは初心者でも手軽に家庭菜園で育てられるハーブです。特にプランターを使えば、スペースが限られたベランダでも簡単に栽培できます。育て方もシンプルで、暖かい季節がバジルの成長に適しています。気温が20℃以上になるとぐんぐん育ち、約3〜4カ月間収穫を楽しめます。しかし、バジルは寒さに弱いため、冬越しは難しい植物です。冬になる前に全ての葉を収穫し、冷凍や乾燥させて保存するのがおすすめです。
バジルの種類6選
スイートバジル
スイートバジルは、爽やかな香りを持つハーブで、イタリア料理には欠かせない存在です。葉は艶やかで柔らかく、光沢のある緑色をしており、花は夏から秋にかけて白い花を咲かせます。葉は甘く清涼感のある香りが特徴で、ジェノベーゼソースやパスタ、ピザのトッピングとしてよく利用されます。生食ではその香りが引き立ち、トマトやチーズとの相性も抜群です。
スイートバジルは温暖な気候を好み、収穫は6月から9月が旬の時期です。気温が高くなるにつれて成長が早くなり、葉を摘み取ることで新しい葉が次々と生えてくるので長期間楽しめます。
ダークオパールバジル
ダークオパールバジルは、全体が深い紫色をした美しい外観のバジルです。スイートバジルと同じく爽やかな香りを持ちますが、香りや味わいはやや穏やかで、彩りを加えたい料理にぴったりのハーブです。サラダやピザ、パスタに生で加えるとその美しい色合いが映え、料理を華やかにしてくれます。熱を加えると色が抜けやすいため、飾りとして使う際は仕上げに加えるのがポイントです。更に、葉や花をビネガーやオイルに漬けて風味を移すと、その特有の香りと色を楽しむことができます。
ダークオパールバジルの旬は、5月から9月の間です。種まきは20℃以上の気温が必要なので、気温が安定する5月以降が最適です。栽培は日当たりの良い場所を好み、乾燥に弱いため水やりに注意しましょう。色の美しさから観賞用としても人気があり、家庭菜園やプランター栽培にもおすすめの品種です。
ホーリーバジル
ホーリーバジルは、葉がやや硬めで強い香りを持つシソ科のハーブです。タイ料理のガパオライスに使われるガパオ(タイ語でバジルという意味)としても知られており、炒め物や揚げ物にぴったりの食材です。インドではトゥルシーと呼ばれ、古代から神聖な植物として崇められ、伝統医学アーユルヴェーダでは不老不死の霊薬ともされています。葉・茎・種子が食用可能で、スパイシーな風味が特徴。生葉をお茶として飲むこともでき、ストレス解消や免疫力アップ、消化促進などの効果も期待できます。開花期には紫がかった小さな花を咲かせ、美しい見た目も楽しめます。
ホーリーバジルの旬は、7月から10月です。夏から晩秋まで葉が次々と茂り、長期間にわたって収穫が楽しめるので、家庭菜園にも最適です。タイでは多年草ですが、日本では冬の寒さに弱く一年草として扱われます。プランター栽培も可能なので、日当たりと風通しの良い場所で育てて、家庭で気軽に楽しんでみてくださいね。
タイバジル
スパイシーで刺激的な香りが強いホーリーバジルに対して、タイバジルは甘く爽やかな香りが特徴で、ホーラパーとも呼ばれます。葉は濃い緑色で、茎や花は紫色をしており、見た目も非常に美しいのが魅力です。スイートバジルに比べて香りが強く、長時間の加熱でも風味が損なわれにくいため、グリーンカレーやスープなどに最適です。
タイバジルの旬は、5月から10月の暖かい時期で、この期間中に収穫される葉は特に香りが豊かです。家庭菜園やコンテナ栽培でも育てやすく、日当たりの良い場所でしっかり水やりを行うことで、次々に新しい葉を収穫できます。タイ料理を楽しむ際にはぜひ取り入れたいハーブで、料理の味わいをぐっと本格的にしてくれます。
ブッシュバジル
ブッシュバジルは、スイートバジルの仲間で、1センチほどの小さな葉を持ち、草丈は約30センチとこんもりしたブッシュ形に生育するハーブです。全体がコンパクトにまとまり、爽やかで強い香りを放つため、料理の彩りや風味付けに広く利用されます。特にジェノベーゼソースやパスタ、ピザなどのイタリア料理では、見た目の美しさと香りを生かしてよく使われており、料理を引き立てます。葉が小さいためちぎらずそのままトッピングでき、便利で見栄えがします。
ブッシュバジルの旬は、5月から10月にかけてで、この時期は生育が盛んで、香りも最も強くなります。日当たりの良い場所を好み、適度に水やりし、肥料を与えることで次々と新しい葉を収穫できます。日本の気候では冬には枯れてしまうため一年草として扱います。育てやすくコンパクトな見た目から、家庭菜園や鉢植えにもぴったりです。
シナモンバジル
シナモンバジルは、スイートバジルと似た見た目を持ちつつ、シナモンのような独特の香りを放つメキシコ原産のハーブです。茎は赤紫色で、中葉のサイズを持ち、株はよく分枝してこんもりとした形に育ちます。香りは爽やかで甘く、料理に加えると一風変わった風味を楽しめます。特に、デザートやフルーツサラダ、シロップ、ハーブティーなど、甘い料理や飲み物にぴったりです。葉が厚めで、香りを移す料理にも向いているため、ソースやビネガー、ドレッシングにも最適です。
シナモンバジルの旬は、春から秋にかけてで、5月から10月が収穫の適期です。夏場には花が咲きますが、花が咲くと葉が固くなり、香りも落ちるので、葉を収穫する場合は花が咲く前に摘むと良いでしょう。暑さに強く、日向を好むので、日当たりの良い場所で育てると、元気に育ち、長期間収穫を楽しめます。
まとめ
バジルは、香りと風味が楽しめるだけでなく、栽培も比較的簡単なハーブです。種類ごとにそれぞれ異なる個性があり、料理に彩りや香りを加えることができます。初めての人でも、栽培のポイントを押さえれば、家庭菜園で手軽に育てることができますよ。