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ノウフク・アワード2024 全国の22団体が受賞

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人手不足や耕作放棄地活用に貢献する取り組み「農福連携等」

「農福連携等」は、障害者や生活困窮者、引きこもりの人たち等が農林水産業を通じて社会参画する共生社会づくりが目的で、農業分野においては、人手不足や耕作放棄地活用にもつながる取り組みです。

こうした取り組みの中で、特に優秀な事例を表彰する「ノウフク・アワード2024」では、応募のあった205団体の中からグランプリ2団体、準グランプリ3団体、優秀賞7団体、フレッシュ賞3団体、チャレンジ賞7団体がそれぞれ選出されています。
2025年1月22日、東京都港区の三田共用会議所において表彰式・シンポジウムが開催され、会場にはノウフクアンバサダーを務めるタレントの城島茂さんも出席し、会場を盛り上げてくれました。

グランプリは、徳島県「株式会社菜々屋」と宮崎県の「一般社団法人STEP UP」が受賞

まず、2021にも受賞歴のある今回のグランプリ2団体をご紹介しましょう。
一つはこまつな、チンゲンサイ、なすなどを手がける徳島県徳島市の「株式会社菜々屋」。農業法人4社が共同で障害者就労施設を立ち上げ、これまでに41名が農業法人、JA等に一般就労しています。体力や特性に合わせて農作業を細分化した評価書(アセスメントシート)の採用、徳島県からの出荷量が減っている“すだち”の植樹事業や収穫支援などの新たな取り組みが評価されました。

グランプリ「徳島県徳島市 株式会社菜々屋」

もう一つはズッキーニ、なす、ミニトマトなどを生産する宮崎県宮崎市の「一般社団法人STEP UP」。障害者就労施設を運営する同法人が農業生産法人CoCoROファームを立ち上げ、矯正施設出所者や障害者の雇用のほかに、生活支援や社会経験の場を提供。収穫時の近隣農家への人材派遣、認定農業者としての地域生産部会への参加、中山間地の荒廃農地の積極的な借り入れ実施など、近隣から頼りになる存在として活躍されています。

グランプリ「宮崎県宮崎市 一般社団法人STEP UP」

熊本、愛知、広島の3団体が準グランプリに

準グランプリを受賞したのは熊本、愛知、広島の3団体。
熊本県熊本市の「NPO法人 熊本福祉会」は、荒廃農地の活用、6次産業化への取り組み、障害者・矯正施設出所者の職員としての雇用とともに、農福連携の地域協議会を設立し、JAや企業と連携して地域ぐるみの取り組みを実施。自社農場で生産した野菜を使い、地元フリーアナウンサーや中華料理店とのコラボで開発した“モッちゃん水餃子”は、地域や福岡の百貨店で販売されています。

準グランプリ「熊本県熊本市 NPO法人 熊本福祉会」

愛知県犬山市の「株式会社ココトモファーム」は、お米の生産・加工・販売を中心に、地域内外の企業や障害者就労施設等との連携による米粉バウムクーヘンの開発・販売を展開。障害者45名(令和5年度)の働く場を創出されました。また、ドローンによる水田管理・肥料散布、自動走行田植え機の子供向け試乗イベント開催といったスマート農業への取り組み、マイナビ農業を含む4社合同プロジェクトで開発した商品の全国発信など、精力的に活動していらっしゃいます。

準グランプリ「愛知県犬山市 株式会社ココトモファーム」

冷やして食べる“くりーむパン”でお馴染みの八天堂のグループ会社である広島県三原市の「株式会社八天堂ファーム」では、障害者等の自立支援に向けて果樹栽培を展開。加工品の商品開発にも積極的に取り組み、農福連携産品を活用して商品化した“バターサンドウィッチ”は、ナチュラルローソンで販売されるなど全国規模での販路を開拓されています。また、行政と連携した地域組織「農福コンソーシアムひろしま」のけん引役としても活躍中です。

準グランプリ「広島県三原市 株式会社八天堂ファーム」

サステナブルな共生社会の発展に期待

ご紹介したグランプリ、準グランプリ以外にも、優秀賞、フレッシュ賞、チャレンジ賞を受賞した多数の団体がユニークな農福連携等に取り組んでいらっしゃいます。ますます広がりを見せる農福連携等へのムーブメント。その機運が日本の農業の発展と、サステナブルな共生社会の推進につながっていくことを願ってやみません。


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